大学ギタークラブの第19回OB演奏会が開催され、私とWoodpecker-Mはギターアンサンブルの合奏に出演してきた。
2年前のクラブ創立50周年記念OB演奏会の時以来の学内ホールでの開催。現役クラブ部員の学生達も参加しやすいし、出席者も昨年横浜森のホールで開催した時よりも大幅に増えた。
演奏会は独奏から始まり重奏へと、卒業年の若い順に進められた。
今回注目したのは、近年いろいろなアマチュアギターコンクールに意欲的に挑戦し、ついに本年金賞を受賞した茨城のJIZOUさんだ。演奏は緻密で、丁寧な表現を披露していたのが印象的であった。音量のコントラストも音色も表情豊かに思えた。明らかに演奏、表現力が向上している。
彼はWoodpecker-Mと同期なので、現役の頃からよく知っている。現役時代の定期演奏会やOB演奏会で一緒に合奏もしてきた。彼にはソロパートをよく頼んでいた。確かにうまいのだが、本番にはやや弱いというタイプだった。(失礼!)
しかし、長年にわたり、現代ギター社主催のサマースクールに毎年参加し、福田進一さんをはじめとする数多くの先生方のご指導を受けた成果と本人の努力か、それらが自信となって如実に現れているのは確かだろう。彼の成長がとても素晴らしかった。
このほか、独奏で出演のOBの皆さんの演奏も日頃の努力の賜物で、まったく頭が下がる限りだ。
さて、ギターという楽器の話、億のオーダーのヴァイオリンに比べると、比較にならないくらいのお値段。しかし、アマチュアでも、普通車1台分の楽器を所有するとは、現役学生時代にはとても想像できなかった。今回も素晴らしい音のギターを所有するOBもいて、演奏を披露してくれたが、こういう楽器を弾きこなすのは、ずいぶん練習し甲斐があるだろう。
私はといえば、長年合奏曲の編曲と指揮ばかりに専念していて、久しく独奏とは離れており、ホントに情けない限りだが、いい楽器と巡り会うことができれば、独奏もやる気になるかも?とつい思ってしまったが・・・。思うだけかもね?
OBの先輩の1人にギターをご自分で製作している方がいて、ギター製作工房に入門して教えを受け、すでに製作台数が6台にもなり、奥様も愛用されて今回も二重奏で出演。
その製作ギターを触らせてもらったが、細部にわたって素晴らしい仕上がりで驚いた。また、よい音を生み出すための製作技術についても理論があり、音響的にもいろいろと工夫されていて相当なご苦労があるようだ。
さて演奏会、現役の合奏。2曲の演奏だったが、部員の編曲で、まあオーソドックスな演奏だが、あまり演奏に表情がないのが玉にキズで楽しくない。聴いても弾いても合奏は楽しくなくてはね!
そしてトリで、最後にOBアンサンブルの合奏を披露。
台風17号の関東地方襲来により、東京での2回目の合奏練習を中止にせざるをえなかったため、演奏会当日午前中の練習が唯一の頼りという状態だった。何とか全員が気持ちを合わせられる様、演奏の押さえどころを重点的に練習。
本番のステージ上では、他のパートの音が聞こえ難く、時々速度ズレが発生。これを調整するのに気をとられた。練習室の狭くて壁や窓による反射音の豊かな空間と、ホールという広い空間の中のステージでの音の聞こえ方の違いだが、これは昔から経験的によく分かっていることなのだが、毎度注意が必要なこと。まあ、なんとか、クラシカル3曲の演奏は無事終了し、2時間以上に渡る演奏会を終えた。
そのあとは、ホール併設のレストランでの懇親会。久しぶりに再会した仲間と旧交を温めた。卒業以来34年ぶりの後輩とも会えたりして、本当に懐かしく楽しい時間を過ごすことができた。